アーテスネート Artesunate(商品名 Plasmotrim Rectocaps) ? ?^??????


 中国では生薬として2000年以上の歴史を有する薬剤アーテミシニン(チンハオス)の誘導体であり、側鎖にコハク酸を結合させて水溶性にしたものである。研究班では坐剤を確保している。特に注射製剤(研究班では保管せず)では原虫消失時間が他の抗マラリア薬よりも短く、重症熱帯熱マラリアで急速な改善を目的とする場合に価値があるとされる。坐剤でも重症熱帯熱マラリアに有効とする意見もある。
 実質的には薬剤耐性が生じていない貴重な薬剤であり、特に流行地での濫用は慎むべきである。


[適応]
 主に合併症のない熱帯熱マラリアが適応となる。重症熱帯熱マラリアの場合にも、坐剤がキニーネ注射に匹敵する効果があると言われるが、データが十分出されてはいない。


[成人での用法・用量]
 重症熱帯熱マラリアで用いる場合、アーテスネート200 mgを1日目2回、2〜5日目それぞれ1回投与する方法が示されている。合併症のない熱帯熱マラリアでは上記の量か半量を投与する。
 高度薬剤耐性の地域 (タイ・ミャンマー、あるいはタイ・カンボジア国境地帯) で感染した場合には、この後メフロキン15〜25 mg/kgの追加投与が勧められる。


[効果]
 報告のほとんどは上記の高度薬剤耐性地域でsemi-immuneを対象とした成績であり、メフロキンの追加投与を行っても効果は100%ではないが (1)、これは特殊な状況での成績である。その他の地域でnon-immuneを対象としたデータはほとんど入手できない。


[副作用]
 腹痛、嘔吐、下痢などの胃腸症状や眩暈、臨床検査で網赤血球や特に幼弱な好中球の減少、一過性のトランスアミナーゼ上昇などがみられるが、臨床的に問題になることは非常に稀とされる。
 ただし、動物実験ではアーテミシニン誘導体のなかでも、特にアーテメーターの注射による中枢神経系障害が知られている。


[小児ヘの投与]
 5 mg/kg を1日目2回、2〜5日目それぞれ1回の投与が示されているが、その半量でも十分である可能性がある。


[妊婦ヘの投与]
 安全性は確立されていないので、原則として使用しない。特に妊娠第1三半期では禁忌とする。


【文献】

1.

Barradell, L.B., Fitton, A.: Artesunate. A review of its pharmacology and therapeutic efficacy in the treatment of malaria. Drugs 50:714-741, 1995