トリクラベンダゾール Triclabendazole (商品名 Egaten)? ?^??????

 

 もともとは獣医用肝蛭症治療薬として1984年に開発されたベンズイミダゾール系の薬剤である。本剤の懸濁液(商品名Fasinex)が獣医用薬として国内で市販されている。WHOの指導でヒト用錠剤(商品名Egaten:250 mg/錠)も製造され、エジプトではヒト肝蛭症治療薬として認可・販売されている。肝蛭症の多いフランスやスイスでもヒトでの治験が進行しており、既にWHOのEssential Drug Listに肝蛭症の第1選択薬として収載されている (1)。

[適応]
 肝蛭症が適応となるが、感染早期の幼若虫から慢性期の成熟成虫にまで幅広く有効である。肺吸虫症に対しては不明。肝蛭、肺吸虫以外の吸虫類(住血吸虫その他)に対しては無効。また、ベンズイミダゾール系の薬剤であるにも拘わらず、腸管内寄生線虫に対する駆虫薬としての効果は殆どない。


[成人での用法・用量]
 原則として10 mg/kgを食事直後に1回内服(空腹時に服用すると吸収・血中への移行が悪い)。
 重症例では20 mg/kgとし、12〜24時間間隔の分2で内服する。


[効果]
 肺吸虫症に対しては、カメルーン (2) とエクアドル (3) で有効であったという治験報告があり、添付説明書でも肺吸虫症に適応があると記載されている。しかし、国内で流行しているウエステルマン肺吸虫症や宮崎肺吸虫症に対する有効性については不明で、現在治験が進行中である。


[副作用]
 ベンズイミダゾール系の薬剤に過敏症がある場合は禁忌。一般的な副作用として報告されているのは、一過性の軽度の肝機能障害、上腹部痛、嘔気・嘔吐など。服薬後に眠気やめまいなどがある場合には車の運転などを避ける。厳密な意味での副作用ではないが、虫体死滅によるアレルギー性反応として蕁麻疹、アナフィラキシーなどが起こることがある。


[小児への投与]
 5歳以下の小児では安全性が確立されていない。


[妊婦ヘの投与]
 安全性は確立されていない。


【文献】

1.

Savioli L, Chitsulo L, Montresor A. New opportunities for the control of fascioliasis. WHO Bulletin 77: 300, 1999.

2.

Ripert C, Couprie B, Moyou R, Gaillard F, Appriou M, Tribouley-Duret J. Therapeutic effect of triclabendazole in patients with paragonimiasis in Cameroon: a pilot study. Trans Roy Soc Trop Med Hyg 86: 417, 1992.

3.

Calvopina M, Guderian RH, Paredes W, Chico M, Cooper PJ. Treatment of human pulmonary paragonimiasis with triclabendazole: clinical tolerance and drug efficacy. Trans Roy Soc Trop Med Hyg 92: 566-569, 1998.