ミルテフォシン Miltefosine (商品名 Impavido)写真をみる


 アルキルフォスフォコリンに属するヘキサデシルフォスフォコリンであるが、当初抗癌剤として開発されたものである。インド、WHO-TDR、Zentaris(製薬会社)の3者の開発によるもので、インドでいち早く内臓リーシュマニア症に認可されたが、最近ドイツでも認可となった。経口薬としての利点のみならず、アンチモン薬(スチボグルコン酸ナトリウム)耐性の原虫に対しても効果が期待できる。皮膚リーシュマニア症に対しても治験が行われている。


[適応]

内臓リーシュマニア症。

[成人における用法・用量]

100 mg/日・分2で28日間。

[効果]

一般的に治癒率95%を示す1)。HIV感染者で標準療法が失敗した症例に使用したが、64%に反応が見られ、43%に寄生虫学的治癒が得られた2)

[副作用]

ほとんどが消化器症状とされており、嘔吐(38%)、下痢(20%)などが報告されている。ただし新しい薬剤であるので、今後非常に稀な副作用が明らかになる可能性を否定できない。
動物実験でオス性腺への毒性がみられたとの報告があるが、ヒトの場合には問題ないとの見方が強い。

[小児への投与]

添付文書によると、体重40 kg以上の場合に上記「成人における用法・用量」が適用される。それ以下の体重では10 mgカプセル(本研究班で導入したのは50 mg)を用いた投与が書かれているが、用法・用量の記載はなく、使用経験は少ないと思われる。

[妊婦への投与]
   禁忌。


【文献】

1)

Anonymous: New therapy for visceral leishmaniasis. India licenses miltefosine, the first oral drug for visceral leishmaniasis. WER 25:210-212, 2002.

2)

Sindermann H, et al.: Oral miltefosine for leishmaniasis in immunocompromised patients: compassionate use in 39 patients with HIV infection. Clin Infect Dis 39:1520-1523, 2004.