スチボグルコン酸ナトリウム Sodium stibogluconate(商品名 Pentostam) ? ?^??????


 以前に使用されていた3価アンチモン誘導体にかわって導入された5価アンチモン化合物であり、リーシュマニア症の治療に広く使用されている。本剤は、リーシュマニア無鞭毛型虫体(アマスチゴート)のグリコソームに存在する解糖系と脂肪酸ベーター系酸化系の両者を阻害し、これがATPとDTP産生を低下させ、エネルギー産生を抑制する。他に、非特異的なSH結合による高分子物質合成能の阻害も考えられているが、それらの詳細は未解明である


[適応]

1)

内臓リーシュマニア症(カラアザール)

2)

皮膚リーシュマニア症

3)

粘膜皮膚リーシュマニア症

[成人での用法・用量](以下の番号は[適応]の番号に対応)

1)

20 mg/kg(最大800 mg)を1日1回静注、または筋注、最低20日間継続する。

2)

10〜20 mg/kgを1日1回静注または筋注、14〜28日間あるいはそれ以上投与。L. braziliensis によるものでなく、単発で炎症のない結節性病変であれば100〜300 mgの局注を1回、必要ならば1〜2日の間隔で2回行う。L. braziliensis による場合には、局所病変が治癒してから数日間全身投与を必要とする。

3)

20 mg/kg(最大800 mg)を1日1回静注、または筋注するが、寄生虫学的、臨床的治癒を来す期間より数日長く行う(20日間程度)。

筋注は疼痛が強く、余り用いられない。静注では5%ブドウ糖液で10倍以上に希釈する。

[効果]
 米国軍人が罹患したL. (V.) panamensis を主とする皮膚型リーシュマニア症の治療を無作為割り付け、二重盲検法で行った。本薬剤20 mg/kg/日の静脈内投与を従来通り20日間行った群と、10日間行った群とを比較したが、10日間投与群での治癒率は優れたものであり、副作用は20日間投与群に比べて少なかった。しかし、10日間の短期投与法が一般化できるかどうかについては、慎重でなければならない(1)。

[副作用]
 副作用の殆どは一過性である。1〜2%に悪心、嘔吐/下痢などが生じ、腹痛はやや多い。発疹、食思不振、倦怠、筋肉痛、頭痛、嗜眠、膵酵素やトランスアミナーゼの上昇などもみられる。注射直後の一過性の咳も報告されている。静注では静脈に沿った一過性の疼痛があり、血栓形成を生ずることもある。内臓リーシュマニア症の治療で肺炎も報告されているが、原疾患によるものか薬剤によるものかは不明である。

[小児への投与]
 [成人での用法・用量]における体重当たりの投与量が適用される。

[妊婦への投与]
 胎児ヘの影響の報告はないが、安全性は確立されていない。

【文献】

1.

Wortmann, G., Miller, R. S., Oster, C., Jackson, J., Aronson, N.: A randomized, double-blind study of the efficacy of a 10- or 20-day course of sodium stibogluconate for treatment of cutaneous leishmaniasis in United States military personnel. Clin. Infect. Dis., 35:261-267, 2002